チルドレンズ・エクスプレス記者紹介記者を募集しています寄付にご協力くださいリンク
チルドレンズ・エクスプレス
HOME記事カテゴリー「座談会」>記事を読む

 

スマホでタブレットで、見やすくなりました!リニューアルサイトはこちら。

座談会

大学へ行った意味
出席者: 清水菜々子( 21 ) 、田村綾子(19)、川口洋平(19)、 司 会:三崎令日奈
2009/02/28

高校時代とは違い自主性が求められるのが大学生活です。
授業、部活、アルバイト、そして就職活動。
いまの大学生が何を思い4年間を過ごしているのか、
高校生から大人まで知っていて欲しいディスカッションです。

参加者の2009年3月現在のプロフィール
三崎令日奈(22)
私立大学総合政策学部4年。体育会ラクロス部女子にも所属し
在学中に国際青少年メディアサミット(米国、ロサンゼルス)と
大学生G8模擬サミット(ドイツ)の日本代表を務めた。

清水菜々子(21) 私立大学経済学部3年。
2007年年女子U19ラクロス世界大会(カナダ)日本代表、
2009年女子U22ラクロスアジア大会日本代表に選抜される。
        
川口洋平 (19)
私立大学人間科学部1年。グリークラブ、ボランティア活動などで活躍中
                  
田村綾子 (19)
私立大学人間社会学部1年。テニスサークル、ボランティア活動などで活躍中

高校時代と違う大学像

令日奈:1月にCE記者が開いた「大学へ行く意味」のRTで高校生たちは
大学生活について想像をしていました。皆さんは高校時代にイメージした
大学生活と、現在との間にどんな差がありますか?

洋平: 「大学生は勉強する人がいる一方で大半は遊んでいるのではないか」
     と思っていました。確かにそういう人は多いけれど遊びを通じて人と付き合う
方法や、場の雰囲気を盛り上げる方法などを学んでいるように思える。

綾子: 高校時代に漠然と将来やりたいことがあったので、
     第一志望の大学、学部、学科もその基準で選んで、頑張ろうと思っていた。
     でも違う大学に入り、違う学問を学ぶことになりました。
     その結果興味の幅が拡がり、やりたいことも変わった。
「勉強」という思いよりも、「紙だけの勉強にとどまらず色々ところで
勉強しよう」という気になりました。

菜々子:大学で一番思うのは、自主性の部分が大きくて、
     授業に行かないで寝るのも、勉強やサークルを頑張るのも、
     選択肢のひとつで、自主性にまかされている部分が
高校時代に思い描いていたよりも強いと感じました。

令日奈:私は大学=勉強であり、サークルは勉強のおまけと思っていた。
     就職も決まった今考えると、勉強よりも「人との付き合い方」、
     「チームの中での役割」という人間的な部分が就職活動で問われるのだ
     と思いました。
    

一生つきあえる友人を得た

令日奈:つぎに、皆が実際に大学へ行って得たものは何ですか。

菜々子:私が得たものは部活での経験がすべてです。
     普通の生活では築き上げられない信頼関係や、
     一生付き合えると思える頼もしい友だちができたこと。
     70人のチーム全員で一つの目標に向かって頑張ることは
     社会人になったらできないと思う。その二点です。

綾子 :女性が働くことなどの話を聞く機会が増えて自然に自分の興味の幅が
拡がったのは授業や勉強がきっかけです。
     でも大学生活で得たものは、自分が属する各コミュニティーにおいて、
自分はどうあるべきか、今何をすべきか等を今まで以上に考える習慣が
ついた事かな。
    
洋平: 大学に入ってからの方が勉強を熱心にするようになった。
     高校までは興味のないものも嫌々勉強したけれど、
大学では自分のやりたい学問を中心にできるので成績も良くなりました。
やる気も高いです。大学には留学生も含めて何万人もいます。
     だから様々な人とのつながりを得ることができた。

菜々子:補足します。さきほどの私の発言だと私は勉強嫌いかと思われるかも
しれないけれど決してそうではなくて、出席する授業は面白いし、
興味が拡がりすごく役に立っているので時間の許す限り出たい。
    
令日奈:最近受けたおもしろい授業って?

菜々子:金融投資サービス論です。みずほ銀行や野村證券から外部講師を招いて
話を聞き、講義後にまとめを書いていると自分が経済学部にいることを
実感します。一、二年時のマクロ・ミクロ理論は退屈でしたが、
     三、四年になって実践的な部分を学ぶ機会ができたので捨てたものでは
ないなと思います。

部活の意義

令日奈:高校生からみると、部活が授業よりもプライオリティが高いところに
     あるのが分からないと思うけど、それが大学ではできるのですね。

菜々子:できますね。自分次第ですね。試験をがんばらないと進級できないし、
     単位はちゃんと取るべきですけど、部活をやっている人は多いです。

令日奈:就職に直結しないけれど面白い授業がたくさんあって、
     そこでディスカッションし、先生の話を聞いて学んだことは
     自分の考えを整理するのに役に立ち、自分に残るものです。

    部活では今までの自分の友だちにいなかった負けず嫌いな人が多く、
例えば自分が一番になりたいとか・・・。
     これは自分に無かった部分なので大きな刺激をもらいました。
     授業では、将来の夢に向けてすごいビジョンを持っている人が
     いてそれも刺激になりました。
     どっちもいいところがあって、自分もがんばらねばと思いました。
     ゼミでは自分の意見の裏付けをとることが必要で、それは
     高校までとの大きな差です。そのために本を何冊も参考にし、
     数字を間違えてもいけないし、厳密になってきました。
   

就職のための大学?

令日奈 高校生のRTでは、大学は就職するための場所?という意識が
     高かったけれど皆さんの意見は?

菜々子:大学で自分のやりたいことが明確にある高校生は珍しいと思う。
     それがある人は希望通りの大学を選べばいいと思う。
     たいていの人は何となく、まったく分からないよ、みたいな感じだと
     思うので高校生で将来の就職への意識があることにはびっくりしました。

綾子 :私も、どこかいい大学に入っていた方が就職は有利というイメージでした。
     でも興味の幅を拡げるうちに、「自分次第だ」と思えてきました。
     女子大は一般職が多いとか、金融関係に沢山行っているなどと言われますが、
     内側を見ていると、結局は自分の興味と判断で就活するのだと
割り切るしかないというのが二年間大学へ行って思うことですね。
    
令日奈:「就職がいい」という一言にはウラがあるということですよね。
     一般職が多かったり特定の会社に沢山入っていたりとか。
     就職がいい=希望の会社に行けるとは限らない・・それは同感です。

洋平: 高校生が就活を考えているのは意外でした。僕なんか高校生の頃は
     全然考えていなかったし、今もそうです。
     高校生は、たぶんあの大学に入れれば・・と考えるのだと思うけれど、
     大学を名前で選んで文学部、法学部、商学部を全部受ける人が
けっこういます。何がやりたいんだ!と言いたいです。
     名前やランクを気にせずに、法律をやりたいなら法学部を色んな大学で
受けるとか、そういう受験をしてもらいたい。
     そうでないと大学の授業もつまらないですよ。

令日奈:「大学生G8サミット」などの機会に話をしたのですが、
海外の人と「専攻は何なの?」という話題になると、
     国際関係だったら本当に国際関係の学問のことを指すんです。
     日本で「学部どこ?」と聞くと、キャンパス内の雰囲気を指している気がする。
     例えば経済学部は経済学部というカラーというかイメージ・・
あそこは勉強が大変そう、あそこは遊んでいてもラクそうとか、
大きい大学になるとあるんです。その反面、大学院生をみると
専門知識をつけるには学部の四年間では足りないのかなと・・。
  
菜々子:専門的にやるには四年間では足りないと思います。

令日奈:高校時代私は国連に興味があったのだけれど、
     国連職員って学部生は採らなくて、大学院生からなのです。
     その意味がすごくよくわかりましたね。
    
菜々子:どの大学の何学部を受けるかは重要な選択だと思う。
     私自身、文学部以外の経済・商・法を受けました。
そういう人も多いはず。それが悪いというわけでなくて、
     興味がないと思っていたところでも意外に面白い発見ができます。
     それが将来就職するときの一つの指針になる。

令日奈:例えば「開発」ならば、経済学部でも法学部政治学科でも、
     私が行っている総合政策学部でもそれぞれの切り口で勉強できるし、
     建築も理工のほかに環境情報などの視点から勉強している人がいます。
     要は切り口で自分のやりたいことを持って欲しいということですよね。
    
大学名より自分の力

令日奈:たくさんのエントリーシートが送られてくる企業では
     大学名を見ている暇はないとバッサリ言われました。
     だから逆に大学名に甘えていると採ってもらえないよと。

洋平: 大学名を見ている暇はないって何を見ているんですか。

令日奈:最終面接になれば人数が少ないから見る暇はあるけど、
     流れるように人が入ってくる一次面接では大学名だけで
    「この子いいな」と思う暇はないそうです。一部の企業の話ですけど。

菜々子:私はいま就職活動のまっただ中です。学歴は重要だと思うけれども、
     それは選考の最初だけで、最終的に大学名で選ばれるとは感じていません。

令日奈:大学名だけで採用される人は一人もいないということですよね。

菜々子:大学名、それにプラスして人間性が高く評価されるならば、
     その人は採用されるだろうし、
     大学名があまりなくてもできる人はたくさんいます。
     だから自分の見せ方次第なのかな、大学名に甘えていたら結果は出ない。

綾子: 結局は自分による。

菜々子:就活時には、けっこう自分を振り返るものです。
     今まで適当に生きてきた人、周りに流されて生きてきた人よりは、
     これをやりたいから、ここに入ってしっかりやるとか、
     この勉強をしたいから、しっかり学んだとか、
     自分の意志で行動した軸がしっかりした人を企業も欲しいのかな。

令日奈:私は国連に本当に行きたかった。
     でも国連に入るには大学院をでるか実務経験が必要なことを知り、
     国連は大官僚組織で動きが遅いといった不都合な点も知った。
そんな過程でいま自分が行ける企業が手の届くところにあったんです。
     この間台湾に旅行したんですけど、日本の機械メーカーが数多く進出していました。それを見ていると、国連オンリーよりも、民間企業に入って海外マーケティングや海外営業をすれば、
     自分がやりたい仕事がもうできるじゃないかと思って、
     とりあえずそっちの道に進もうとしたわけです。
     決して大企業だから受けたわけじゃないんですね。そこを理解してほしい。

洋平: 気づくことができたのは、大学で色々なことを学んだからですね。

令日奈:そうです。勉強で世界と張り合おう

菜々子:今までの発言と反対になるかもしれないですが、
     日本の学生はもっと勉強してもいいと思います。
     アメリカの学生に「なぜあなた大学に行っているの」って言われて、
     明確に答えられる人はそんなには多くない。
     世界の学生は大学に勉強という目的で来ている人が多いと思う。
     色々な選択肢がある日本の大学はすばらしいけれど、
     勉強をもうちょっとした方が張り合えるのかな、世界に。
    
令日奈:勉強していないって、どこで気づくんですか?

菜々子:フェイスブックとか。

令日奈:アメリカ版ミクシィみたいなものですね。

菜々子:日本の高校生が金銭的に恵まれて、親の収入で大学に行ける環境が
     いっぱいあるから、それも一因だとは思うんですが、
     せっかく入るなら少しは勉強した方がいいと思います。

綾子: 私は大学へちゃんと行って勉強はしていますが、
     「日本の大学に行きたい」と言って日本語を勉強している人を
     知っているんです。でも自信を持って「日本の大学来なよ」って
     言えないのがあるんですね、だからやっぱり勉強を是非してくださいと
     みんなに言いたい。
   
令日奈:「単位が足りているなら大変な授業取ることないじゃん」とか、
     「大変でない授業を取って要領よくやりなよ」と言う人がいる。
     でも私は面白いと思った授業を自分の為になるから受けようと考えました。
     自分の能力や適性は周囲からの見方ではなくて、
     フットワークを軽くして自分がしたいと思うことをやれば充実した
     大学生活が送れます。だから大学受験でも何でも「誰々にはムリだよ」
     という忠告を聞いてはいけないということです。

綾子: 可能性を自分で潰す行為はしてはけない。

令日奈:最後にひと言ずつ感想をお願いします。

菜々子:大学では自主性が求められると思うので
     自分で考えて行動できる人間になれるようにがんばってください。

綾子: 優先順位は人それぞれです。だから自分自身によく問いかけて
     いろいろなものに熱中してみてください。

洋平: このRTをやって、自分自身もこれから大学生活をどのように
過ごしていくかを考える、いいきっかけになりました。

令日奈:私はもう大学生活は終わるのですが、
     入学時と価値観も変わり、それが一番得たことと思います。
     自分の考えが揺さぶられるような友だちや目標を見つけられれば、
     遊びでも勉強でもクラブでも充実した生活が送れるすごくいい時だと思います。
    (完)

高校時代と違う大学像

令日奈:1月にCE記者が開いた「大学へ行く意味」のRTで高校生たちは
大学生活について想像をしていました。皆さんは高校時代にイメージした
大学生活と、現在との間にどんな差がありますか?

洋平: 「大学生は勉強する人がいる一方で大半は遊んでいるのではないか」
     と思っていました。確かにそういう人は多いけれど遊びを通じて人と付き合う
方法や、場の雰囲気を盛り上げる方法などを学んでいるように思える。

綾子: 高校時代に漠然と将来やりたいことがあったので、
     第一志望の大学、学部、学科もその基準で選んで、頑張ろうと思っていた。
     でも違う大学に入り、違う学問を学ぶことになりました。
     その結果興味の幅が拡がり、やりたいことも変わった。
「勉強」という思いよりも、「紙だけの勉強にとどまらず色々ところで
勉強しよう」という気になりました。

菜々子:大学で一番思うのは、自主性の部分が大きくて、
     授業に行かないで寝るのも、勉強やサークルを頑張るのも、
     選択肢のひとつで、自主性にまかされている部分が
高校時代に思い描いていたよりも強いと感じました。

令日奈:私は大学=勉強であり、サークルは勉強のおまけと思っていた。
     就職も決まった今考えると、勉強よりも「人との付き合い方」、
     「チームの中での役割」という人間的な部分が就職活動で問われるのだ
     と思いました。
    

一生つきあえる友人を得た

令日奈:つぎに、皆が実際に大学へ行って得たものは何ですか。

菜々子:私が得たものは部活での経験がすべてです。
     普通の生活では築き上げられない信頼関係や、
     一生付き合えると思える頼もしい友だちができたこと。
     70人のチーム全員で一つの目標に向かって頑張ることは
     社会人になったらできないと思う。その二点です。

綾子 :女性が働くことなどの話を聞く機会が増えて自然に自分の興味の幅が
拡がったのは授業や勉強がきっかけです。
     でも大学生活で得たものは、自分が属する各コミュニティーにおいて、
自分はどうあるべきか、今何をすべきか等を今まで以上に考える習慣が
ついた事かな。
    
洋平: 大学に入ってからの方が勉強を熱心にするようになった。
     高校までは興味のないものも嫌々勉強したけれど、
大学では自分のやりたい学問を中心にできるので成績も良くなりました。
やる気も高いです。大学には留学生も含めて何万人もいます。
     だから様々な人とのつながりを得ることができた。

菜々子:補足します。さきほどの私の発言だと私は勉強嫌いかと思われるかも
しれないけれど決してそうではなくて、出席する授業は面白いし、
興味が拡がりすごく役に立っているので時間の許す限り出たい。
    
令日奈:最近受けたおもしろい授業って?

菜々子:金融投資サービス論です。みずほ銀行や野村證券から外部講師を招いて
話を聞き、講義後にまとめを書いていると自分が経済学部にいることを
実感します。一、二年時のマクロ・ミクロ理論は退屈でしたが、
     三、四年になって実践的な部分を学ぶ機会ができたので捨てたものでは
ないなと思います。

部活の意義

令日奈:高校生からみると、部活が授業よりもプライオリティが高いところに
     あるのが分からないと思うけど、それが大学ではできるのですね。

菜々子:できますね。自分次第ですね。試験をがんばらないと進級できないし、
     単位はちゃんと取るべきですけど、部活をやっている人は多いです。

令日奈:就職に直結しないけれど面白い授業がたくさんあって、
     そこでディスカッションし、先生の話を聞いて学んだことは
     自分の考えを整理するのに役に立ち、自分に残るものです。

    部活では今までの自分の友だちにいなかった負けず嫌いな人が多く、
例えば自分が一番になりたいとか・・・。
     これは自分に無かった部分なので大きな刺激をもらいました。
     授業では、将来の夢に向けてすごいビジョンを持っている人が
     いてそれも刺激になりました。
     どっちもいいところがあって、自分もがんばらねばと思いました。
     ゼミでは自分の意見の裏付けをとることが必要で、それは
     高校までとの大きな差です。そのために本を何冊も参考にし、
     数字を間違えてもいけないし、厳密になってきました。
   

就職のための大学?

令日奈 高校生のRTでは、大学は就職するための場所?という意識が
     高かったけれど皆さんの意見は?

菜々子:大学で自分のやりたいことが明確にある高校生は珍しいと思う。
     それがある人は希望通りの大学を選べばいいと思う。
     たいていの人は何となく、まったく分からないよ、みたいな感じだと
     思うので高校生で将来の就職への意識があることにはびっくりしました。

綾子 :私も、どこかいい大学に入っていた方が就職は有利というイメージでした。
     でも興味の幅を拡げるうちに、「自分次第だ」と思えてきました。
     女子大は一般職が多いとか、金融関係に沢山行っているなどと言われますが、
     内側を見ていると、結局は自分の興味と判断で就活するのだと
割り切るしかないというのが二年間大学へ行って思うことですね。
    
令日奈:「就職がいい」という一言にはウラがあるということですよね。
     一般職が多かったり特定の会社に沢山入っていたりとか。
     就職がいい=希望の会社に行けるとは限らない・・それは同感です。

洋平: 高校生が就活を考えているのは意外でした。僕なんか高校生の頃は
     全然考えていなかったし、今もそうです。
     高校生は、たぶんあの大学に入れれば・・と考えるのだと思うけれど、
     大学を名前で選んで文学部、法学部、商学部を全部受ける人が
けっこういます。何がやりたいんだ!と言いたいです。
     名前やランクを気にせずに、法律をやりたいなら法学部を色んな大学で
受けるとか、そういう受験をしてもらいたい。
     そうでないと大学の授業もつまらないですよ。

令日奈:「大学生G8サミット」などの機会に話をしたのですが、
海外の人と「専攻は何なの?」という話題になると、
     国際関係だったら本当に国際関係の学問のことを指すんです。
     日本で「学部どこ?」と聞くと、キャンパス内の雰囲気を指している気がする。
     例えば経済学部は経済学部というカラーというかイメージ・・
あそこは勉強が大変そう、あそこは遊んでいてもラクそうとか、
大きい大学になるとあるんです。その反面、大学院生をみると
専門知識をつけるには学部の四年間では足りないのかなと・・。
  
菜々子:専門的にやるには四年間では足りないと思います。

令日奈:高校時代私は国連に興味があったのだけれど、
     国連職員って学部生は採らなくて、大学院生からなのです。
     その意味がすごくよくわかりましたね。
    
菜々子:どの大学の何学部を受けるかは重要な選択だと思う。
     私自身、文学部以外の経済・商・法を受けました。
そういう人も多いはず。それが悪いというわけでなくて、
     興味がないと思っていたところでも意外に面白い発見ができます。
     それが将来就職するときの一つの指針になる。

令日奈:例えば「開発」ならば、経済学部でも法学部政治学科でも、
     私が行っている総合政策学部でもそれぞれの切り口で勉強できるし、
     建築も理工のほかに環境情報などの視点から勉強している人がいます。
     要は切り口で自分のやりたいことを持って欲しいということですよね。
    
大学名より自分の力

令日奈:たくさんのエントリーシートが送られてくる企業では
     大学名を見ている暇はないとバッサリ言われました。
     だから逆に大学名に甘えていると採ってもらえないよと。

洋平: 大学名を見ている暇はないって何を見ているんですか。

令日奈:最終面接になれば人数が少ないから見る暇はあるけど、
     流れるように人が入ってくる一次面接では大学名だけで
    「この子いいな」と思う暇はないそうです。一部の企業の話ですけど。

菜々子:私はいま就職活動のまっただ中です。学歴は重要だと思うけれども、
     それは選考の最初だけで、最終的に大学名で選ばれるとは感じていません。

令日奈:大学名だけで採用される人は一人もいないということですよね。

菜々子:大学名、それにプラスして人間性が高く評価されるならば、
     その人は採用されるだろうし、
     大学名があまりなくてもできる人はたくさんいます。
     だから自分の見せ方次第なのかな、大学名に甘えていたら結果は出ない。

綾子: 結局は自分による。

菜々子:就活時には、けっこう自分を振り返るものです。
     今まで適当に生きてきた人、周りに流されて生きてきた人よりは、
     これをやりたいから、ここに入ってしっかりやるとか、
     この勉強をしたいから、しっかり学んだとか、
     自分の意志で行動した軸がしっかりした人を企業も欲しいのかな。

令日奈:私は国連に本当に行きたかった。
     でも国連に入るには大学院をでるか実務経験が必要なことを知り、
     国連は大官僚組織で動きが遅いといった不都合な点も知った。
そんな過程でいま自分が行ける企業が手の届くところにあったんです。
     この間台湾に旅行したんですけど、日本の機械メーカーが数多く進出していました。それを見ていると、国連オンリーよりも、民間企業に入って海外マーケティングや海外営業をすれば、
     自分がやりたい仕事がもうできるじゃないかと思って、
     とりあえずそっちの道に進もうとしたわけです。
     決して大企業だから受けたわけじゃないんですね。そこを理解してほしい。

洋平: 気づくことができたのは、大学で色々なことを学んだからですね。

令日奈:そうです。勉強で世界と張り合おう

菜々子:今までの発言と反対になるかもしれないですが、
     日本の学生はもっと勉強してもいいと思います。
     アメリカの学生に「なぜあなた大学に行っているの」って言われて、
     明確に答えられる人はそんなには多くない。
     世界の学生は大学に勉強という目的で来ている人が多いと思う。
     色々な選択肢がある日本の大学はすばらしいけれど、
     勉強をもうちょっとした方が張り合えるのかな、世界に。
    
令日奈:勉強していないって、どこで気づくんですか?

菜々子:フェイスブックとか。

令日奈:アメリカ版ミクシィみたいなものですね。

菜々子:日本の高校生が金銭的に恵まれて、親の収入で大学に行ける環境が
     いっぱいあるから、それも一因だとは思うんですが、
     せっかく入るなら少しは勉強した方がいいと思います。

綾子: 私は大学へちゃんと行って勉強はしていますが、
     「日本の大学に行きたい」と言って日本語を勉強している人を
     知っているんです。でも自信を持って「日本の大学来なよ」って
     言えないのがあるんですね、だからやっぱり勉強を是非してくださいと
     みんなに言いたい。
   
令日奈:「単位が足りているなら大変な授業取ることないじゃん」とか、
     「大変でない授業を取って要領よくやりなよ」と言う人がいる。
     でも私は面白いと思った授業を自分の為になるから受けようと考えました。
     自分の能力や適性は周囲からの見方ではなくて、
     フットワークを軽くして自分がしたいと思うことをやれば充実した
     大学生活が送れます。だから大学受験でも何でも「誰々にはムリだよ」
     という忠告を聞いてはいけないということです。

綾子: 可能性を自分で潰す行為はしてはけない。

令日奈:最後にひと言ずつ感想をお願いします。

菜々子:大学では自主性が求められると思うので
     自分で考えて行動できる人間になれるようにがんばってください。

綾子: 優先順位は人それぞれです。だから自分自身によく問いかけて
     いろいろなものに熱中してみてください。

洋平: このRTをやって、自分自身もこれから大学生活をどのように
過ごしていくかを考える、いいきっかけになりました。

令日奈:私はもう大学生活は終わるのですが、
     入学時と価値観も変わり、それが一番得たことと思います。
     自分の考えが揺さぶられるような友だちや目標を見つけられれば、
     遊びでも勉強でもクラブでも充実した生活が送れるすごくいい時だと思います。
    (完)

 

関連記事
・大学へ行く意味〜なぜ大学へ行くのか〜
大学へ行く意味は時代によって、国によって大きく異なります。
もちろん個人の事情もあります。日本の若者は大学へ行く目的、
あるいは青年期の4年間をどのように使おうとしているのか、
高校生、大学生、そして高卒で就職したCE記者6人が本音で語り合いました