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教育


ゴミ拾いの魔法
2005/12/30                 三崎 友衣奈(14歳)

 12月17日の午後1時、渋谷駅前の交差点の横で人だかりができていた。これが、渋谷のスカベンジイベントの集まりである。イベントの内容は、渋谷の街をきれいにするべく、渋谷駅・宮下公園周辺でいくつかのグループに分かれてゴミを集め、そのゴミの量でつけたポイントからグループ対抗で争うというものだ。ポイントが多かったグループには賞品があるという。      

 大森学園高等学校 、 慶応義塾湘南藤沢高等部 、 都立つばさ総合高等学校 、 早稲田大学高等学院など6校が参加し、51名の高校生が集まっていた。このイベントは主催者からメンバーまですべて高校生が占めており、今回の企画を 渋谷区 に問い合わせ、用具などを借りて実行に移すこととなった。

 慶応義塾湘南藤沢高等部2年の宮原まちさんは、高校生環境連盟のアクション班という企画を行動に移す班に属している。当日は「やっと活動ができるので今日はとことんきれいにするぞ!くらいの意気込みです」と嬉しそうに語った通り、「 Shibuya Scavenge 」と書かれた看板を掲げて参加者を誘導していた。彼女は「高校生がゴミ拾いをやっていることによって周りの人のポイ捨てへの意識が高められ、一生懸命やっている姿を見、捨てた人が罪悪感を持てるようになれるといいです」とこの企画の狙いを話した。そしてきれいな街にするためには「一人一人がポイ捨てをしないなど、自分でできることを少しでもしていけばこの街は少しずつきれいになっていくと思います」と語ると、忙しそうに去っていった。

 他の参加者にも話しを聞いたところ、参加の理由は学校の環境フォーラムや高校生環境連盟、個人的な連絡から賞品目当てで参加した人など様々だが、ポイ捨てをする人へのメッセージは「街を汚さないでほしい」と共通していた。

 参加者の中で、「環境問題のことに興味がなかった中学生時代はポイ捨てをしている人と変わらないことをやっていました」と恥ずかしそうに語ったのは、早稲田大学高等学院の2年生だ。しかし、このようなイベントに参加し、拾う側になると、もうポイ捨てはできないと話していた。彼はこの企画を通して人が落としたゴミを拾うことに勇気が必要だということを思い知らされたのだ。また、彼らがそのように勇気を出してゴミ拾いができたのは、他のメンバーが一緒だからこそできると話した。

 このように、人が落としたゴミを拾うことはなかなか一人ではできないことだ。街をきれいにするためには勇気を出すことが大切なのだ。その第一歩が踏み出せれば、あなたもゴミ拾いの魔法にかかることだろう。