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社会

「カードは誰のもの」
2002/12/10                         島田大河(11歳)

23万円。4人家族の1ヶ月の生活費にもなりそうな大きな金額が、1枚のオモチャのカードの値段に付けられている。

1枚のカードというのは、トレーディングカードといわれるゲームで使われるカードである。インターネットのオークションで売りに出ていたので、実際にその値段で取引されたかどうかはわからないが、とても子供が手出しできそうもない値段であることは間違いない。レアカードに高値が付けられ、偽造カードまで作られる様になった。オモチャのカードは子供の遊びだけではなくなってしまった。カードの現状について、チルドレンズ・エクスプレスの記者5名(11才−12才)が、都内の大手カード会社に聞いてみた。

記者:レアカードとノーマルカードを作るときの費用の違いはどれくらいか。
カード会社:詳しい数字は言えませんが、ノーマルカードよりは費用がかかっています。

記者:そのレアカードが1枚数十万円という高い値段で売られているのは構わないか。
カード会社:困ったことだと思っています。インターネットなどで高い値段で売りに出されているという情報は時々聞きますが、本当にその様な値段で取引されているかどうか良く分かりません、誇張されている面もあります。

記者:このままでは、どんどんレアカードの値段は上がっていくことが予想されるが。
カード会社:過去にブームが加熱したときには心配も少しありましたが、今はその様な状況にはないと思います。

記者:特定の会場で限定発売されたカードが急激に上昇している。
カード会社:その様なケースが過去にあったのは事実ですが、良くないと判断して止めました。発売場所限定のカードはもう発売していません。カードを集める楽しみを損なわない様に気をつけながら、ブームが加熱しない様に色々と工夫しています。

記者:レアカードが欲しいあまりに商品に傷をつけるような探し方でレアカードを引く人がいる。
カード会社:カードはパックで発売しており、外からは見分けはつかない様にしています。レアカードを引く法はありません。カードを傷つける様なやり方は、他のお客様の迷惑となり、お店の方も困っていますので、絶対に止めて欲しいです。

記者:子供の世界に大人が割って入り悪質な金儲けをする人がいる。偽造カードを子供達に売りつける人まで出てきた。
カード会社:偽造カードは明らかな犯罪です。偽造カードを見つけた時は直ぐに警察に連絡して取り締まってもらっています。皆さんには是非お店で安全なパックを買っていただきたいと思います。

記者:いろいろな問題のあいついでいるカードの世界だが。
カード会社:いろいろな問題にはひとつひとつ対策を講じていますが、カードにはすばらしい面が沢山あることも知って欲しいと思います。カードを通じて友達と楽しい時間を過ごしたり、新しい友達が出来たり、友情の輪が広がっています。年上の人が年下の人にルールを教えながらゲームを楽しんでいる様子も良く見かけます。家族でカードを楽しんでいるファンの方も沢山います。カードには人と人のコミュニケーションを広げる魅力があります。

このインタビューを通じて、カード会社が強調していたことが2つある。「カードは、楽しむと同様に友達の輪を広げるものである」、「大切なのはブームに流されないことだ」。カードの良いところはわかる。しかしブームに流されるなと言いながら、ブームを作り出している面がないだろうか。1枚数10万円のカードが話題になる中で、「流されるな」というだけでよいだろうか。このままでは、子供のお金に対する価値観がゆがんでしまうのではないだろうか。カードは楽しむためのものである。カードは遊び道具であり、悪い大人金儲けの道具ではない。

取材メンバー:川口洋平(12)、岡本勇介(12)、本土遼(13)、原怜也(12)、島田大河(11)
※この記事に関して、カード会社より会社名、商品名、限定販売の場所を明記することを控えてほしいとの申し出がありましたので、固有名詞をすへて削除してあります。