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社会

私たちも同じ子どもなんです
2002/09/09                      花岡絵美(14歳)


 駅構内や周辺の歩道などで、黄色い凹凸のあるブロックが埋め込まれているのをよく見かける。これが、視覚障害者誘導用ブロック(以下誘導ブロック)だ。この誘導ブロックにしたがって歩けば、視覚障害者は一人で安全に歩くことができるようになっている。しかし本当にそれは視覚障害者に役に立っているのだろうか。視覚障害者自身の意見も聞き入れて設置されているのだろうか。そんな疑問から実際に誘導ブロックを利用している東京都立八王子盲学校中学2年生の長谷川慶君と橋本夏季さん、そして国立筑波大学附属盲学校の塩谷治教頭にチルドレンズ・エクスプレスの3人の記者、花岡絵美(14才)、秋津文美(15才)、堀友紀(8才)がインタビューを行った。

登下校の練習
健常者の生徒なら何でもない通学が盲学校の生徒にとってはそれだけで大変なこと。駅構内には誘導ブロックが設置されている。でも電車の乗り口はわからない。一人で駅を利用する際、多くの生徒がホームから落ちたりと、とても危険な目に遭っている。そんな命懸けをしながら生徒たちは約1年間かけて歩行訓練をする。「営団地下鉄南北線のようにホーム自体扉をつけ、電車が来たときだけ開くようにしてもらいたいと」塩谷教頭は話した。

誘導ブロックについて
誘導ブロックは役に立っている。線ブロックは進め、ボコボコしているのはここから横断歩道が始まるなどの警告だ。それを白杖で確認しながら歩く。でも誘導ブロックは駅周辺にはあっても自宅近くにないのが現状だ。「どこを通ったら良いか目印がなくて困る。また、せっかく誘導ブロックがあってもその上に障害物が置いてあったり自転車や車が停めてあると、とても戸惑うのです。誘導ブロックの上には絶対に物を置かないで欲しい」と長谷川君と橋本さんは語った。
 誘導ブロックは統一されていない。そのため線ブロックでもボコボコした感じで紛らしいものや材質によって感触が違って戸惑うこともあって困るそうだ。3年程前に誘導ブロックを統一しようという運動から厚生省も動き始めたが、実際に統一されるまでにはもう少し時間がかかるかもしれない。

もっと外出したい
「ひとりで外出するのは恐い、でも将来のためには一人で歩かなければならないので、もっと自由に歩けたら良いなと思っています」「近所のお店にひとりで行ってみたい」「家から外に出て街の中も歩きたい」、これが盲学校の生徒たちのささやかな願いだ。

知ってほしいこと
障害者も健常者と同じ街で一緒に暮らしている。視覚障害者だって外に出て遊びたい。目が見える人とも友だちになったり、友だちと遊園地やプールにも行きたい。そして、「横断歩道を渡ろうとしている時、電車に乗ろうとしている時などは、集中して音を聴いているので必ずしも声をかけてもらうのが良いとは限らないけれど」「戸惑っているときや青信号に気が付いていない時は、ひと声こえを掛けてもらえるとすごく助かる」というのが二人の中学生からのメッセージだ。声を掛けることは私たちにも出来ること。もっと障害者の人たちが安全に楽しく歩けるように私たちも小さな手伝いをしてあげたい。